撮影場所:富山県中央植物園

富山県庁 広報課 課長 
牧山貴英 以下(牧山

富山県では感染拡大防止と社会経済活動を両立させ、県民が知恵を絞り、工夫をしながら新型コロナウイルスに負けない、元気な富山県を創っていく取組み「MAKE TOYAMA STYLE」を2020年7月から進めています。
新型コロナウイルスによる社会変化を前向きにとらえ、ワクチンの普及なども見込まれるなか、政策や事業もビヨンドコロナを見据えた次の展開を考える局面にきているのではないかと思います。お二人にまず、これまでを振り返って、新型コロナウイルスがもたらした事業や生活への影響と変化、それを乗り越えるために取り組んでこられたことについてお聞かせいただきたいと思います。

ICT推進部会を立ち上げ
テレワークをさらに強化

株式会社岡部 代表取締役社長 
岡部竜一 以下(岡部)

新型コロナウイルスを意識したのは、2020年1月です。当社は遊具事業を全国展開し、首都圏でもかなり案件があります。11月頭ぐらいまでマカオで遊具の施工をしていて、渡航制限もかかりましたが、滑り込みセーフでした。そういったこともあり、感染状況をかなり意識していました。感染が拡大するにつれ、現場がストップしだし、特に現場でコロナ感染者が出てからは、一斉に現場作業が止まったこともありました。社員を守ることを考えると首都圏出張を控えたかったのですが、お客様のご要望でどうしても行かなければならないこともありましたので、感染対策をしっかり行って事業を進めていました。

一方、東京支店では、4月の緊急事態宣言前から時差出勤やテレワークを進めていました。宣言以降は発注先も二交代制になったこともあり、公共・民間工事で発注が数ヶ月ずれ込むこともありました。事業がなくなるということは、ほぼなかったので受注ベースは順調にいきましたが、当社は12月末決算のため、数ヶ月遅れることで売り上げがダウンする影響が生じました。

ただ、コロナに関してはマイナスのイメージが非常に強いですが、私どもは逆にチャンスと捉えています。かなり前から働き方改革に力を入れており、テレワークも2010年から部分的に進めています。緊急事態宣言を契機に全社的にテレワーク対応したことで、制度やハード面での課題が浮き彫りになりました。
現在は、ワーキングチーム「ICT推進部会」を新規に立ち上げ、3年後までにICT活用による生産性向上と本格活用できるテレワーク体制を構築し多様な働き方を実現します。コロナもですが、今年(2021年)1月の大雪のようにどんな気象状況においてもどこでも働ける体制や、子育て・介護に携わる社員が離脱せずに働ける環境づくりを「3年以内に達成しよう」と強く進めるきっかけになりました。

“現場”がサテライトオフィスに
WEB会議やモバイル勤務で乗り切る

(牧山)建設業と農業。どちらもいわば“現場”を切り離すことができない業態ではないかと思います。テレワークを進めるにあたり、現場とどのようにつながっていたのでしょうか。

(岡部)土木や建設業は数ヶ月から1年工期で仕事を請負い、現場に作業所を設けます。作業所自体がサテライトオフィスの役割をしていて、ネット環境や複合機もあり、そこで作業が完結します。本社や支店、営業所との連携では、今回強く効果が出たのはWEB会議システムやビジネスチャットなどでのやり取りです。リアルタイムでどこにいても同じ情報が得られて業務できる環境を、コロナを機に一気に推し進めることができました。県外での打ち合わせはWEB会議で済み、交通費や交際費が減ってコストダウンできました。しかしこれができるのも、これまで顔を合わせたお付き合いの基盤があったから。これがずっと続くとうまくいかなくなるかなとも思っています。現場については、どうしてもそこに行かなければ業務ができないので、3密を避けるといったことを徹底して作業を進めています。