(牧山)
現状をみると、コロナ禍では人のつながりが疎遠になりがちですよね。だからこそ、人とのつながりを大事にしていく必要があると思いますがいかがでしょうか。

人と人のつながりは決して変わらない。
あとはどうやってモノの魅力を伝えていくか

(能作)
新型コロナウイルスの前後で変わったことと、変わらないことが多くありますが、私は人と人とのつながりというところは決して変わらない部分だと思います。記念日を祝うとか贈り物をするといった風習は本来、日本人に限らず世界中の人々が行なってきたことで、それは絶対変わらないと思うのです。あとはそのやり方をどうしていくかというところで、オンラインであったりデジタルであったりと、いろいろと工夫をしなければいけない。

販売するにあたっても、オンラインはこのままの状態では、飽和状態になってしまうのが目に見えています。だからこそ、どうやってそのモノの魅力を伝えていくかというのをすごく考える必要があるし、チャレンジもしていきたいと思っています。観光面では、集客数はやはり減るのですが、その数が減った分、どうやって強く魅力を伝えるかということは、逆にすごく可能性があると思っています。

考え方はすごく変わりました。工場見学にしても、今までずっと数にこだわってきていました。幅広い方、全国、海外の方に能作のことを知っていただきたい、そこは変わっていないのですが、やはりある程度ターゲットを絞った上で、ターゲットに沿ったそれぞれのやり方を追求していきたいと思います。

(山川)
能作さんのオンラインショップの売上が250%になったというのは、おそらく“企業の思い”みたいなものに、消費者やエンドユーザーの方がすごく共感しているのだろうと思っていました。それこそ能作さんの商品って、普通に商品を卸して出しているところもありますよね。そういうところといろんな過剰競争が起こったりすると思うのですが、それでも「能作のオンラインショップで買いたい」という方は、能作さんの思いとか、職人さんを大事にするとかといった点に共感しているのではないかなと思います。それはおそらく、観光業も同じです。金額で優劣をつけてしまうと、モノの価値って伝わりづらくなるのですが、価値を感じる人にとっては、お金を払ってでもそれを買いたい。その体験をしたい。そういった方が、この時代すごく増えてきていると感じます。

(能作)
ここ数カ月の間は、今後の展開について改めて考えてみようと思い、めちゃくちゃ分析魔になっていました。ECサイトの売上を分析したのですが、県別に売上を人口で割って一人頭どれくらいの金額を年間ご購入いただけているのかなと分析すると、第1位がダントツで富山県でした。富山県の多くの方に知っていただき、私たちの取組みも浸透してきているのかなと感じ、すごくありがたい結果だと思いました。

(牧山)
例えば実用品や、嗜好品などで言うと、能作さんでは、4月・5月あたりでどういった商品が人気でしたか?

(能作)
うちはダントツで酒器が人気です。とくに、おうちでの晩酌時間を楽しみたいという需要が伸びたと感じます。面白いなと思ったのが、錫がもつ“抗菌性”についての問い合わせが増えたことです。新商品でもうすぐ発売しますが、石鹸トレーや歯ブラシ立てなど、抗菌性のあるものが欲しいという要望がありました。すでに販売しているのですが、入れ歯ポットもグッと伸びた商品です。

(牧山)
明らかに環境が変わって、周りの人たちの想いや価値観もどんどん変わっています。事業を続けていかれるなかで、先ほど山川さんが言われたように、ロットに拘わらず、価値を創造することや、能作さんが言われた“変わらないもの”、“大事なもの”をベースにおきながら、求められるものをどう提供していくかというのはとても大事な視点だと思います。県全体として、観光や移住、Uターンなど、今後富山県に行きたいと思ってもらえるように、価値を感じてもらえるように、益々地域の方々との連携を密にして新たな価値を創造していく必要があると感じました。

本日はありがとうございました。

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